私の後ろに道はできる、はず。

時は無情である。日々、通り過ぎてしまいがちな今を切り取り、1冊のアルバムを作る。

図書館で本を盗むということ

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photo by Brian Cathcart
叩かれる事、承知で書きます。

ネットに晒すことで贖罪になろうとは思いませんが、少しでも罪滅ぼしとして書きます。

もし、私がこれから先警察に捕まろうと言うことになった際、このブログから私の"今"の気持ちを残しておこうというのです。

このブログを警察に見せて、罪を償うきっかけにしたいのです。


罪を懺悔します。

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photo by masaaki miyara
タイトル通り、図書館で本を盗もうとしました。

それも空きバックに入れて何冊も持って帰ろうと。

早速言い訳がましいですが始めからそうしようとは思っていません。

じつは図書カードを忘れたからなのです。

図書館は図書カードという身分を登録した物を介して発行され、借りる際提示します。

それがないと本を借りることができません。

それを家に置き忘れたのです。

私の家から図書館まではせいぜい10分もかからない短い距離です。

取りに帰ればいいのですがそれは面倒くさい。

読み終えたらすぐに返しに来れる距離だから少し拝借してもいいだろう。

どうせバレないだろうし。

そんな甘い考えでした。

それともう一個、返すのが面倒だからもあるでしょう。


ただ一週間で読み終えるか分からないのに何冊も返しにきて借りてがバカバカしいのも事実です。

図書カードで本が借りられるなら、無くても別に借りられる。

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photo by tlchua99
そう悪魔に囁かれたのです。

これは俺らの税金なんだから俺が買ったのと同じだろう。


彼は確かにそういったのです。




意識とは不思議なものです。

私は読書家を自負しています。

バイトで毎月貰える約10万円の内、5万円を使って毎月本を買っています。

私としては本は高価なものです。

高い品物ですが、本屋で万引きをしようだなんて思ったことは一度もありません。

なぜでしょう?

本屋は本が売っています。(本屋ですから…)

購入するまでは店の所有物です。

購入すると始めて私のものになります。

落書きしたり、破るのも私の自由です。

私は万引きは許せません。

なぜなら、バイト先がスーパなのもそうですが、過去私のお気に入りだった本屋が万引き被害で潰れたからです。


小売りは、売値➖仕入れ値=儲け
で始めて成り立ちます。

万引きにより、売り物を取られた際、仕入れ値分だけマイナスになりますね。

本に関しては、売値と仕入れ値はほぼ差がありません。

本の代金は全国どこでも一律なのですから。

だから、一冊を売ったとしても店にはあまり儲けがないのです。

大量に売るからこそ儲かる。当たり前ですよね。

その薄利をマイナスまで落とし、店が普通の客まで疑わなくてはならなくなる状況を生む、そんな奴が許せないのです。

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photo by ianturton
スーパーでもそうです。

私は品出しをしています。

品出しをした後に前出しという棚の奥に引っ込んだものを前に出したり、パッケージが斜めに向いているものをまっすぐにしたりしています。

その時に出るわ出るわ。

奥には食べかけの惣菜パッケージや
中身のないお酒瓶、
箱の空いたラムネだけの食玩箱や
冷凍剥き海老の剥き出しになったパッケージ(これが臭くてたまらない)、
溶けたアイスもそうです。

ありとあらゆる年代によった犯行だとわかる万引きされたであろう物を目撃します。

私が確認できるのは何かしら形跡が残っている場合なのでまだまだたくさんあるでしょうが。

見つけるだけで頭が沸騰します。

いらっしゃいませ


と声を掛けたあなたが犯人なのか?と疑念をかけるのも必然になります。

とにかく私はなにがなんでも許せないのです。




話が少し横道にそれました。

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では図書館はどうでしょうか?

図書館は本屋とまるっきり違います。

図書館の本は税金で購入しています。

私達の税金で本を買っています。

税金で買っているから私達の感覚では無償であり、借りるのも自由にできます。

しかし私だけの税金でまかなっているのでもありません。

市の所有物でもあり、市民皆の所有物でもあります。

今回、私がしようとした無断盗用、窃盗という行為は、あなた達市民の家のタンスから、通帳を盗みに入っているのと同じなのですから。

今、私はあなたの家に入り、タンスから通帳を取り出しかばんに入れていました。


しかしあなたの家を出ることができませんでした。

簡単です。罪悪感であります。

私は確かに悪いことをしている。


そう自覚していました。

いや、いくつかの監視という眼が有ったのも事実です。
http://www.flickr.com/photos/48600084288@N01/275811964
photo by inky
その眼とは3つの眼です。(3人分だから6つか)


1つは利用している他の人の眼。

図書館であるから他の人も利用します。

私がたくさんの本を抱えて、図書館のカウンターを通らずどうどうと外に出ることが出来ようか?

いいえ、出来る訳がないんです。

なにかに入れて隠さないと。

そこで空きバックを使いました。

ただし空きバックをごそごそしている様子を見られるのも不思議がられます。

ですから隅っこのでその作業を始めました。

よし、誰もいない。

こそっといれよう。


そう思った矢先であります。

第2の眼です。

そう、監視カメラであります。

こういう監視カメラを一度は見たことあるでしょう。

http://www.flickr.com/photos/11897392@N04/2913597223
photo by NCinDC

黒塗りであり、どの角度をとっているのか一見分からないようになっています。

しかし私が居た隅の本棚にあるものは、白い色の体で赤い眼でした。

カメラがある方向を赤い光で向いているのですが、明らかに私の方を向いているのです。

それも両側2機も。

挟まれました。

すでに本はゴソゴソとかばんの中です。


もう私の行為はしかとカメラに取られているのです。

そう気づいた私はガクガクブルブルです。

それはそうでしょう。

本来、隅という死角であろう所が、死角のままではないと言うことにを何故今まで気づかなかったのか。


全身から汗が吹き出しました。

そしてカメラの方を何度も繰り返しては見てしまったのです。


第3の眼です。

万引きをしようとしている人は動きでわかる、というのをよく聞きます。

万引き犯は普通の人はしない万引き犯らしい動きをするのです。


その動きとは目線です。

見てしまうのです。店員の方を。

数えてしまうのです。監視カメラの数を。


私がしたことはそれとまさしく同じ、所謂墓穴を掘りました。

監視カメラは私の間抜けな顔を上げた真正面からの写真まで鮮明に写し取ったでしょう。

そして私の動きを不審がる、カメラの奥人も私の行為にきっと不思議がるはずです。


普段あまり人がいない所に人がいて、怪しい動きをしているのに不審がらない節穴なんて存在しているという事実に運命をかけるつもりはありません。


3つの眼があわさった時、抑止力として十分な効果が私にはあったのです。(抑止してはいませんが)
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photo by HiKoTaKe
まるで蛇に睨まれたカエルの気持ちです。

動けばやられる、が動かないと後々やられる。

どちらがいいか、問うまでもありません。

さっと重いカバンから本を翻し、そこに収まってたであろうパズルのピースを元に戻すようにはめ込んでいったのです。


この行為を見た人は不審がるでしょう。

カバンから大量な本を取り出し、適当な場所に刺している人を見ているのですから。


その時の私にはもう周りが見えなかったのです。

犯罪を犯したという既成事実に、もう取り替えしのつかない行動に。

脳天が沸騰したのです。

すべてをはめ込んでも、カバンはまだ重いままです。

まだ入っているのか?

いいえ、中身は空です。

ここで気付きました。


私が始めにしたかばんに入れる行為を見た人が、もし今の戻す行為を見ていなかったとしたら、私のしている事はただの自己満足でしかない事に。

私がかばんに入れた本が、本当に全部元に戻したという保証はまるっきりないのです。

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photo by Stf.O

やっちまった…

心は泣いていました。

突然、ニーチェ

深淵を覗くものは、深淵からも覗かれている

http://www.flickr.com/photos/29310420@N02/5437614015
photo by Gerardofegan
この事かと悟りました。

私は深淵に近づき過ぎました。

深淵も私に近づいたのです。

文字通り沼であり、取る行動全てが私を犯人たらしめる裏目として出ているのです。



今、私は家にいます。
http://www.flickr.com/photos/11384441@N06/4172577749
photo by Singing With Light
これから先、警察がいつ私の元にやってくるかわかりません。

いつかは分かりませんが必ずやってくると思います。

逃げることはできません。

私は沼にいるのですから。

警察が来るまで、罪悪感を感じながら過ごすしかないのですから。

先手を打つかどうかの違いはありましょう。

が今の私には自首なんてできる訳ありません。

最後に私はまだ隠し玉を隠しています。

もう一度図書カードを手に、適当な本を借りに行く。

それで事実の上塗りができる。そう思ってしまう悪魔としての私もいます。

これを読んだあなた。どうか解決策を暴いてください。
それだけが私の望みです。












追記します。

多分、私がどうすれば一番いいのかは、すでにわかっていたんだと思います。

これを書き終えた後で皆から何を言われても私の行動は変わらなかったでしょう。


というよりもこれを書き終えた後、罪悪感に耐えかねてすぐに図書館に電話をしたんです。

拍子抜けしましたか?

がっかりしましたか?


私は臆病なのです。

臆病だからああしたらああなる、ここだからこうだったんだ、と常に最悪を考えて怯えているのです。



電話越しで話す震える涙声の私の声を聞いて最後には向こうの方も笑ってくれました。


男が泣いている声を聞いてびっくりしたんだと思います。

罪を懺悔したことで罪がなくなったとは言えません。


間違ったことをしてしまったのは揺るぎのない事実なのです。

罪悪感とは本当に恐ろしいものです。

恋をして胸が苦しいのとは比べものになりません。

恋のがよっぽどマシ。

ダンゴムシ

私の春は終わらない。