私の後ろに道はできる、はず。

時は無情である。日々、通り過ぎてしまいがちな今を切り取り、1冊のアルバムを作る。

春という季節を感じる ダンゴムシのように

あなたは春が来たと感じていますか?

暖かくなってきたのもそう。

菜の花が、土手一面に黄色を色付けているのもそう。

鼻がむず痒く、クシャミでティッシュが手放せなくなるのもそう。


その季節ごとに風物詩というものが日本にはたくさんありますね。

私が今回、春を感じることができたのは

一匹の虫んこでした。


ダンゴムシです。

皆さんが知っていますね。

触ると丸まる姿から、なんとも安直な名前。

ですが、正式名もダンゴムシだから驚きです。

ダンゴムシとよく似ている虫にダイオウグソクムシがあります。

いまさらですが、虫嫌いな方はごめんなさい(笑)。


このふたり、似ているけれど住んでいる場所はまるっきり違います。

ダンゴムシは陸上に住んでいて、ダイオウグソクムシは深海に住んでいるのです。

陸と海、全く環境が違う場所に似たような姿を見つけることができるなんて生物としての神秘を感じてしまいますね。


さて今回、なぜ春を感じることができたのはダンゴムシのおかげかと言いますと、偶然見た家の庭先に彼らがいたんです。


ただ、なんとなく庭にいて、なんとなく見つけました。

私が彼らを見つけた瞬間、忘れていたあるダンゴムシとの思い出が襲ってきたのです。


彼との初対面はそう、大分遡ります。

小学生の時でした。

あの頃はよく校庭で遊ぶ元気っ子。

子どもだった私は、木の近くや隅っこにいる虫を手づかみでよく触っていた。

いまにして思えば青ざめそうな経験ですが、カメムシを手で掴んで潰したり、蟻の巣に水をかけたり残酷な子どもだったんです。

それでも、虫と遊ぶのは楽しく、触れ合うのもためらいなく、毎日が楽しく過ぎていました。

そんなある日、校庭で見つけたダンゴムシをポケットに入れて、教室まで持ち込み筆箱に仕舞いました。

持ってきたぞ。

俺のペットだ。


と頑強な筆箱という檻にしまい、先生や友達にもバレないように時折確認しては、秘密のことをしてるという楽しさでいっぱいでした。


飽きるのが早いんですね。

次の授業にはもうそのことは頭にありません。


そして次の日、干からびた彼を見つけるのです。


正直、汚いと思ったのでしょう。

そのまま、ゴミ箱に彼を落とし込んだのです。

たくさんのゴミと一緒に彼はすぐに姿が見えなくなりました。


それで、終わりです。

残酷なことをしているだなんて思ってもいませんでした。